秋川渓谷のアトリエでは、東日本大震災を機に広がった福島のコットン栽培に学び、協力をいただきながら、日本古来種の和綿（非遺伝子組換え）を自然農法で育てています。農薬を使わず、非遺伝子組換えであるがゆえに虫がつきやすく、環境変化にも弱い、収穫量は洋綿の半分以下ともいわれますが、それでも毎年の試行錯誤を重ね、少しずつ製品化へ歩みを進めています。この土地は林業とも縁が深く、間伐材や銘木などの木繊維から生まれる服づくりにも取り組みはじめました。ファッションだからといってトレンドやマーケティングに寄りかからず、効率の良し悪しよりも「なぜここで、なぜこれを作るのか？」という必然に向き合いクリエーションを続けていきたいと思っています。


“よりよく見せる”ことよりも、私たちは、自分たちの身体で得た感覚から生まれたものを、できるだけ飾らず、誠実に届けたいと考えています。耳障りの良い大義名分を掲げることも、正しさに寄りかかることも、希少価値や付加価値で無理に背伸びさせることもしません。上手くいかなかった試みも含めて共有し、学んでいく、、、その積み重ねが、皆さまの役に立つものづくりにつながると信じています。